廃プラ保管量2倍の法改正!内容は?影響は?

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廃プラ保管量2倍の法改正!内容は?影響は?

9月4日付で、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則の一部を改正する省令」が公布され、即日施行となりました。
法改正の内容は、もちろん把握しておきたいところです。改正内容を知らなければ、うっかり法違反となってしまうかもしれません。 では、この改正はどのような内容でしょうか?改正による影響は?
速報としてまとめていきたいと思います。

改正は廃プラ問題に対応するため

まず、今回の改正では下記の条文が新設されました。

(令第六条第一項第二号ロ(3)の環境省令で定める場合及び数量)
第7条の8 第3項
廃プラスチック類の処理施設において、 令第六条の十一第二号に掲げる者 (以下「優良産業廃棄物処分業者」という。 )が、廃プラスチック類を処分又は再生のために保管する場合は、当該施設の一日当たりの処理能力に相当する数量に二十八を乗じて得られる数量とする。

このままでは引用が多く、さすがに分かりづらいですね。まず引用部分は簡単に要約します。

令第六条第一項第二号ロ(3)
は、主に処理会社の保管上限を指します。
一部の例外を除く基本的な保管上限は、処理能力/日の14日分です。

令第六条の十一第二号に掲げる者
は、(以下「優良産業廃棄物処分業者」という。 )の括弧書きからも読み取れるように優良認定業者のことです。
ちなみに、改正条文は「第7条の8第3項」以外にも多くありますが、ここで、((以下「優良産業廃棄物処分業者」という。 )としたため、後の条文の該当部分をすべて「優良産業廃棄物処分業者」に書き換えるという改正です。
従って改正される内容は、実質「第7条の8第3項」のみです。

以上を踏まえて簡潔に要約します。

廃プラの優良認定業者が廃プラの処分、再生のために保管する量を処理能力/日の28日分に増やす 、ということになります。つまり、国内の廃プラ問題対策として、保管量を増やすという法改正であることがわかります。

廃プラ問題は解決するか??

今回は、単独改正かつ公布即日施行というところから、廃プラ問題が喫緊の課題であるとこうことが伺えます。
では、今回の改正は廃プラ問題の解決策として効果的か?と考えると、筆者としてはその効果はあまり期待できないと考えます。 理由は簡単で、「根本原因が解決していないから」です。 根本原因というのは、言わずもがな「中国の廃プラ輸入規制」です。


▲環境省HP「プラスチックを取り巻く国内外の状況」より引用

廃プラ輸入規制の影響は大きい

日本の、廃プラは6~8割を中国向けに輸出していました。それが規制によってほとんど輸出できなくなってしまったのです。
そのため、有価物として扱っていた廃プラの行き場がなくなり、廃棄物処理に転換するか、滞留するか…という状況となっています。という経緯は、多くの方がご存知のことと思います。
最終的な行き場がなくなっていることが問題ですから、中間処理時点で貯めておける量を増やしても、「焼け石に水」という印象がどうしても拭えません。

保管基準は変わらない

また、実態として保管量を増やせない処理業者も多いのではないかと思います。 保管量の上限は緩和されても、実は保管基準は緩和されていません。保管基準は、例えば保管高さなどです。

屋外で保管する場合は、上記基準が適用されます。もしくは、屋内保管や容器に入れた保管が必要です。

廃棄物の処理施設は、限られたスペースで効率を求めて運用されています。保管量を2倍にできるだけの空きスペースがある施設が果たしてどれだけ存在するのか…。 「保管量が2倍になったところで、保管する場所がない…」という現実問題、ぶつかることが多いのではないでしょうか?
また、最近では処理施設での火災もニュースで多く見られます。無茶な保管をして、事故や火災につながっては元も子もありません。委託先が無くなったり、受け入れ停止になったりしては、排出事業者としてもさらに困ってしまいます。

廃プラ処理費用の負担は避けられない

弊社に「廃プラのコスト削減をしたい」というお問い合わせを、本当にたくさんいただきます。

「有価物に戻したい」「既存業者から値上げをされた」「引取先が見つからない」といった課題を日々お聞きします。 率直に申し上げまして、現在の状況から廃プラに関してはある程度の妥協が必要です。
これだけ状況が変わっているため、「今までこうだった」は通用しないところまで来ています。

廃プラ以外でのコスト削減に目を向ける

「今まで通り」や「コスト削減ができる」という甘い言葉には警戒が必要です。
手間暇を掛けて処理先を探した挙げ句、不適正処理されてしまっては意味がありません。

必要なコストをしっかりと負担して、新しいルートを構築する必要があります。廃棄物としての処理費用が賄えれば、少しずつですが処理を進めていくことができます。 そうすれば、保管量の上限緩和も効果が見込めるかもしれません。 弊社では、廃プラでコストが上がってしまった分は、別の部分で改善できないか?を追求する提案をさせていただきます。
他の品目でルートを見直したり、業務手順改善などで事務コストを削減したりといったものです。廃プラのコストアップ単体ではなく、廃棄物管理の全体を見渡すと改善できる部分は色々と出てきます。そういった部分でカバーできるかもしれません。

イーバリューでは、こういったお悩みの課題を解決するためのサービスもありますので、是非ご相談ください。

Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

コンサルタントとしての活動で実績を積む傍ら、セミナーインストラクターとして数々のセミナーを担当。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。 対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。