前処理?中間処理?複数の工程がある処分の考え方

前処理?中間処理?複数の工程がある処分の考え方

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前処理?中間処理?複数の工程がある処分の考え方

金属やプラスチック、ガラスなどのパーツで構成された機械を廃棄する際、処理委託先で解体と選別を行った後に、破砕処理をする・・・
このように、産業廃棄物の処理委託をした際に、委託先で複数の処理工程が実施される場合があります。

この場合、それぞれの工程を独立した中間処理としてみるべきなのでしょうか?仮にそうだとしたら、契約書やマニフェストの記載はどのようにすれば適切なのでしょうか?

こうした質問は、特に実地確認の後などによくいただきます。

破砕の契約でマニフェストにも破砕としか記載していなかったけど、実際の現場をみると解体・選別作業をしていて、「これは良いの?」と疑問が浮かぶパターンです。こうした場合は、どのように対応すべきでしょうか?

 前処理として考える

解体・選別→破砕のパターンでは、解体・選別を「前処理」と考え、廃棄物の処理とはみなしません。そのため、委託先業者は破砕の許可があれば良いこととなり、契約書・マニフェストの処分方法も破砕のみで問題ありません。

これは、過去の疑義照会記録「環産廃90-2号」において、『分解や選別は「既に許可を受けている産業廃棄物処理の利便を図るために行われているもの」であって、「物理的、科学的又は生物学的な手段によって変化を与える行為」には該当しないため処分には当たらない』という趣旨の記載があります。

そのため、解体や選別、圧縮のうちは、独立した許可の対象にならないと判断できます。

「既に許可を受けている廃棄物処理の利便を図るため」というのは、読者の皆さんがイメージする「前処理」と同様と考えます。この「前処理」において、一部だけを破砕し、その他については破砕処理せずにそのまま搬出しても問題ないとも書かれていますね。

しかし、あくまで「主な中間処理」があった上での「前処理」ですから、全く中間処理をせずに、解体・分別だけを行う場合は「積替え保管」の許可が必要です。

また、選別でも専用の選別ラインを使った機械選別である場合には、(自治体によって基準が異なりますが)選別の許可を取得しなければならない可能性があります。

このように、直接処分施設に投入しない場合であっても、簡易的な作業は「前処理」として特別な許可が必要ない場合があります。

もちろん、破砕機を使用した破砕の後に焼却というような、簡易的ではない複数の処理工程がある場合には、それぞれの許可を取得している必要があります。

どちらにしても、委託業者は複数の処理工程を連続して行っても問題ないということを把握しておくと、実地確認などの疑問が解消できますね。



Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

セミナーインストラクターとして、数々のセミナーを担当。オンラインセミナーの実施やeラーニングシステムを使った動画コンテンツの制作にも注力する。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。 また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。