複雑な13号廃棄物の内容とは?

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複雑な13号廃棄物の内容とは?

いきなりですが、産業廃棄物の品目は20種類です。このように言われると、廃プラや木くずなどはすぐにイメージつきますよね。
しかし、20種類目はどうでしょうか?

JWセンターの表には、「(20) 以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの(例えばコンクリート固型化物)」とあります。1つだけ文章で書かれていて、これだけはよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
文章で書かれていると呼びにくいので、「13号廃棄物」と呼ばれることも多いのですが、”13号”という言葉も余計わからない…。という事態に陥ります。今回は、このように非常に分かりづらい20種類目の産業廃棄物(以下13号廃棄物)の正体を考えてみたいと思います。

例から考えてみると

まず、手がかりになるのは20種類目の説明文にある、「例えばコンクリート固化物」という例示です。
コンクリート固化物とは、ばいじんや汚泥などの廃棄物をコンクリートで固めたものです。
なぜコンクリートで固めるのかと言うと、埋立基準を満たすためです。ばいじんや汚泥などを埋立によって最終処分する場合は、管理型最終処分場に委託するのが一般的ですが、管理型の埋立処理をする場合には、“13号分析”と呼ばれる分析をし、一定の溶出基準を満たさなければなりません。13号分析の詳細についてはこちら。

13号分析の結果、基準を満たしていない…。どうすればいいの?

一般的に、リサイクルに向かない物が埋立に行きます。有害物質が埋立基準を超えているとなればリサイクルできないのが通常です。

管理型ではない埋立は?

管理型の基準を満たさない場合、「遮断型処分場」に埋め立てるという選択肢があります。しかし、遮断型処分場は圧倒的に数が少なく、処分料金も高額になるため、これもあまり現実的ではありません。

その結果、「コンクリートで固めることによって有害物質が溶出しないようにする」という方法が選択されます。コンクリート固化を行うことによって、有害物質が溶出しなくなり、管理型埋立処分の基準を満たすことができます。埋立を行うためにコンクリート固化する。これが処分するために処理したものということです。

13号廃棄物とは、「13号分析の結果、基準を満たさなかった廃棄物を埋立できるように中間処理したもの」の略と考えればよいでしょうか?

これでは、省略しすぎて原型がありません…。 もちろん、コンクリート固化物はあくまで例示ですので、これ以外にも13号廃棄物に該当するものはあるかもしれません。しかし、例えば「廃プラ」を焼却して残渣が出たとしても、それは「燃え殻」や「ばいじん」になります。廃酸や廃アルカリを中和処理した際に発生した残渣は「汚泥」です。
このように、中間処理後の廃棄物は多くの場合、形を変えたとしても19品目のいずれかに該当します。

しかし、コンクリート固化物は、汚泥やばいじんをコンクリートで固めたものであって「コンクリート」そのものではない為、「コンクリートくず」に該当しそうにありません。一般的にコンクリート固化物はきれいな形のブロックですから「がれき類」でもないでしょう。

上記内容をまとめると、下記のような場合に13号廃棄物に該当してきます。

・そのままでは最終処分できないため、中間処理をしたもの
・中間処理をした後のものがどうにも19種類の品目に当てはまらない

なぜこんなにも複雑なのか?

13号廃棄物は、このような非常に複雑な考えに基づくものだったのです。
仮に産業廃棄物の種類が13号廃棄物を除いた、19品目だと仮定しましょう。コンクリート固化物は13号廃棄物の規定がなければ19品目のどこにも当てはまりません…。
産業廃棄物は、法律上「事業活動に伴って生じた廃棄物であって廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物」になっている為、これが19種類になると、産業廃棄物ではなくなってしまうということです。
すると、産業廃棄物の中間処理施設から多量に発生する(コンクリートで封じ込めたとはいえ)有害物質を含んだ廃棄物が、市の一般廃棄物処理場に持ち込まれることになります。

このような事を行っては行政がパンクしてしまいます。
20番目の産業廃棄物は、このように明らかな産業廃棄物であるにもかかわらず、具体的に品目が示せない物が、一般廃棄物にならないための苦肉の策だったのではないでしょうか。

13号廃棄物はどうすればいい?

理屈がわかればあまり気にすることはありません。
強いて注意点を上げるとすれば、中間処理後の廃棄物は「コンクリート固化物」などになって最終処分される契約の場合、最終処分先に13号廃棄物の許可があるかを確認することといった程度でしょうか?
しかし、ここまでコンクリート固化物という例に従って紐解いてきましたが、そもそもの規定は「処分するために処理したもの」という曖昧な表現であるため、なにか迷う部分があれば管轄行政に相談し、指示に従うのが確実です。

Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

コンサルタントとしての活動で実績を積む傍ら、セミナーインストラクターとして数々のセミナーを担当。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。 対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。