保管基準の盲点は”仮置き”と”資材置き場”!不法投棄と判断されないために

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保管基準の盲点は”仮置き”と”資材置き場”!不法投棄と判断されないために

長期休暇の前に、構内の廃棄物の在庫整理や保管場所の見直しをされる方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は廃棄物の保管基準について、不法投棄と判断されないために気を付けるべきポイントをお伝えします。

廃棄物置き場の保管基準

そうは言っても、廃棄物の保管場所については、普段から管理されている方が多いと思います。屋外で保管する場合には囲いを設けて、掲示板を設置して、汚水などが地面にしみ出さないように対策をして…等ですね。

具体的には下記の様な基準ですね。

● 事業場における廃棄物の保管場所掲示板例

 

● 屋外における保管の高さの基準例(容器に入れずに保管する場合)

保管基準

このあたりの基準も、この機会に見直していただくとよいのですが、今回注目したいのは、廃棄物置き場”ではない”場所にある廃棄物についてです。

”仮置き”と”資材置き場”に潜むリスク

「廃棄物置き場以外に廃棄物なんてあるの?」と思われるかもしれませんが、実は意外とあるのです。

まずは、”仮置き”という名目で、保管基準を適用せずに長期間放置されている場合です。

”仮置き”に潜むリスク

そもそも仮置きは認められているのでしょうか…?廃掃法上では、仮置きという言葉は見当たりません。

しかし、保管基準を満たさずに置かれている廃棄物を見かけることも珍しくありません。本当に一時的な”仮置き”ならばまだしも、何日にもわたって同じ状態であれば、それは”仮置き”ではなく、廃棄物の保管にあたります。そのため、廃棄物を保管する際に求められる基準通りに保管する必要があります。

”資材置き場”に潜むリスク

次に、資材置き場とされている場所に保管されているものが、およそ利用価値があるとは思えないという場合です。

廃棄物の該否判定は総合判断です。その物自体が判断の対象ですから、例えば、保管場所の名称を「資材置き場」にしたとしても、そこにある物自体が廃棄物だと判断されれば、廃棄物の保管基準違反が適用されてしまいます。

総合判断説判断要素

不法投棄と判断!野積みタイヤの事例

過去に、自社内に放置された野積みタイヤが不法投棄に該当すると判断された事例があります。その判断基準について、解説していきます。

どれくらい放置したら不法投棄になるの?

まず、放置の期間については、通知によって具体的に言及されています。

使用済みタイヤが廃棄物であると判断される場合において、長期間にわたりその放置が行われているときは、占有者に適正な保管であることを客観的に明らかにさせるなどして、客観的に放置の意思が認められるか否かを判断し、これが認められる場合には、その放置されている状態を処分として厳正に対処すべきこと。

衛環第65号「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」

また、以下のようにも書かれています。

「長期間にわたりその放置が行われている」とは、概ね一八〇日以上の長期にわたり乱雑に放置されている状態をいうものであること。

衛産95号「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」

つまり、180日間にわたり保管基準を守らず乱雑に放置されている部分が、不法投棄と判断された要因の1つです。

性状が安定しているタイヤでも180日。性状の変化のあるものは…?

180日という期間だけを見ると余裕があるように思えますが、これはタイヤが市況によって燃料としての価値を有する可能性があることを考慮したものです。

また、タイヤは、比較的性状が安定してます。それでも180日と考えれば、腐りやすい物や悪臭の発生しやすい物、有害物質などを含むものは、この期間は相当に短くなると考えられます。

このタイヤは廃棄物?有価物?

また、先ほどの通知には、廃棄物の該当性判断についても記載されています。

占有者において自ら利用し、又は他人に有償で売却することができるものであるとの認識がなされている場合には、占有者にこれらの事情を客観的に明らかにさせるなどして、社会通念上合理的に認定し得る占有者の意思を判断すること。

衛環第65号「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」

占有者に明らかにさせる事情としては、次のいずれかを挙げることができること。
 (一) 溝切り等を行いタイヤとして利用する、土止め、セメント原料又は燃料として利用するなど使用済みタイヤを自ら利用するものであって、これらの目的に加工等を行うため速やかに引渡しを行うことを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されていること。
 (二) 前記(一)のとおり利用するために、使用済みタイヤを他人に有償で売却するものであって、これらの目的のため速やかに引渡しを行うことを内容とし、かつ履行期限の確定した具体的な契約が締結されていること。

衛産95号「野積みされた使用済みタイヤの適正処理について」

やはり有価物と判断するには、「売却のための速やかな引き渡し」や「具体的な契約が締結されていること」等客観的に判断できる要素が必要です。

180日経過しても販売の目途が立たず、野ざらしで劣化しているだろう使用済みタイヤを有価値と判断できるでしょうか? 廃棄物として保管すべきというのが、一般的な意見でしょう。

いかがでしたでしょうか?「仮置き」「資材」と安易に片づけず、廃棄物か有価物か判断に迷うものは全て廃棄物の保管基準に適合した場所に保管するという意識づけをすることをおすすめいたします。

 

条例を調べたり、自治体への問い合わせを面倒と感じる方へ

Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

コンサルタントとしての活動で実績を積む傍ら、セミナーインストラクターとして数々のセミナーを担当。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。 対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。