事前に廃棄物処理業者の信頼性を見極めるポイントは?

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事前に廃棄物処理業者の信頼性を見極めるポイントは?

排出事業者の方からよくある質問をQ&Aでご紹介します。

Q:事前に処理業者の信頼性を見極めるポイントは?

A:優良認定や過去の行政処分記録等に加えて、財務状況を確認できるとより確実です。

委託する処理業者が、本当に信頼できるのか?というのは、排出事業者の永遠のテーマです。
特に、契約前は処理業者は精一杯のアピールをしますから、どうしても良く見えてしまいます。
同業他社など業界の評判を聞くのも有効ですが、契約前に確認しておくべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか?

信頼性のベースは優良認定

処理会社の信頼性を見極める公式的な基準としては、優良産廃処理業者認定制度に適合している「優良業者」かどうかがあります。認定業者は、許可証に「優良マーク」が付きます。

◆優良認定の基準は、大まかに下記の5点です。

▼実績と順法性
5年以上の実績があり、行政処分等の不利益処分がない。

▼事業の透明性
 会社情報、許可内容、処理状況、財務諸表などをインターネット上で一定期間公表している。

▼財務体質の健全性
 健全な財務体質である。
 (例:直前3年の事業年度のいずれかが自己資本率10%以上)

▼電子マニフェスト
 電子マニフェストが利用できる。

▼環境配慮の取組
 ISO14001等の認証を取得し、環境に配慮している。

これらの条件を満たしているということはある程度の信頼性があるといえます。いわば廃棄物処理の「ゴールド免許」です。

しかし、たとえ「ゴールド免許」であったとしても、絶対的な指標ではないことには注意が必要です。
ゴールド免許のドライバーも多くの違反や事故を起こしています。あくまで、通常の許可よりも厳しい基準をクリアしているというだけで、行政が順法性や信頼性を保証しているわけではありません。

なお、優良産廃処理業者認定制度を契機に発足した公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団の「さんぱいくん」という愛称の検索システムが便利です。
財団が提供する産廃情報ネットでは行政の許可情報等をベースに全国の産業廃棄物処理業者を検索・閲覧できるシステムです。

優良認定を取得していない業者は?

“行政処分記録”と”財務体質をチェック”

優良認定を取得していないから、信頼できない業者なのかというと、必ずしもそうではありません。
例えば、新規に許可を取得した場合、
5年以上の実績を積まなければいけないので、どんなに管理体制がしっかりしていても、優良認定は取得できません。

優良認定を取得していない場合でも、「行政処分記録」と「財務体質」は独自に調査しておきたいところです。行政へ照会することで処分に関する最低限の情報は入手できます。

行政処分記録はこれまでの実績ですから、長年にわたって不利益処分を受けていないということが分かれば、安心感を高める一つの材料になります。もし、不利益処分があった場合には、その後どのように改善したのかをしっかりと確認することによって「現在の管理体制を見極める指標」にすることもできます。

財務体質は特に注目したいポイントです。廃棄物処理業は、利益が確保できないことが結果として不適正処理につながりやすい構造です。経営が苦しい状況に陥った時、(あってはならないことですが)手抜き処理をすることが一番手っ取り早く、利益改善につながるからです。

裏を返せば、順調に利益が出ている処理業者は、わざわざリスクをとって不適正処理をする必要がないので、信頼性が高いということです。
契約前には、必ずこれらのポイントを確認することをお勧めします。

Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

コンサルタントとしての活動で実績を積む傍ら、セミナーインストラクターとして数々のセミナーを担当。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。 対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。