「運搬会社の対応が良くない!原因は?」

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運搬会社の対応が良くない!原因は?

廃棄物の処理委託といえば、運搬業者というよりは処分業者が思い浮かびます。

特に契約前は、適正に処理できるかどうかや、処理方法、コスト面など、検討事項が多く処分会社に目が行きがちです。しかし、取引が開始すると、運搬会社の対応レベルも気になってきます。依頼をしてもなかなか配車日が決まらないなど、どうも対応が良くないな…と思うことはありませんか?

窓口にその他の管理会社などが入る場合もあり、一概に運搬会社のみの対応レベルと断定はできません。しかし、回収日程が決まらないと、廃棄物を管理する担当者としてはストレスになってしまいますよね。また、実務上も保管量が多くなりすぎてしまうなど、様々な影響が心配されます。

今回は、運搬会社に焦点を当て、対応が円滑にできなくなってしまう原因と対策についてお話ししていきます。

1番の原因は人手不足?

原因として1番に考えられるのは、人手不足というケースです。近年、人手不足は産廃業界のみではなく、運送業界全体での問題となっています。仕事はたくさんあるのに人手不足で苦しんでいる運送会社も多いようです。

公益社団法人 全国産業資源循環連合会が実施している「産業廃棄物処理業景況動向調査」では、「経営上の問題点」に対する回答で、「従業員の不足」が7期連続トップです。

廃棄物処理業界は、従業員が不足する中でなんとか日々の業務を回しています。そう考えると、なかなか思い通りに配車できないのは無理もない事かもしれません。だからといって廃棄物担当者としては、回収が滞ってしまっては困ります。「運搬の予定がわからないと困る・・・」「いつまでも保管しておくわけにはいかない・・・」と思われますよね。

排出事業者としてすべきこととは?

人手不足問題は業界全体の傾向です。特定の企業に限った問題ではありません。そのため、排出事業者が運搬業者を切り替えたとしても、どこも人手不足の状況ではあまり効果が見込めません。排出事業者は、運搬業者の立場も考慮して連携をする必要があります。 例えば、回収時間の指定を広げるという対応も効果的です。担当者として回収立ち会いをしたいために理由で時間を細かく指定して回収を依頼するケースがあります。
「◯時に来て」という依頼よりは、「◯時~◯時の間で」や「午後のどこかで」という幅をもたせた依頼の方が、運搬会社側としては配車が組みやすいのです。

こうした諸条件を緩和することによって、配車が円滑になることが見込めます。その他にも、「明日にでも来て!」という急ぎの依頼を控えるなど、運搬業者に求める条件を緩和することで、配車がなかなか決まらない状況は少しずつ改善される場合があります。

条件次第でコスト削減にもなる?

実際に条件を緩和することによって、値上げを防いだり、コストダウンにもつながるケースがあります。

事例として、片道約 200㎞の長距離運搬が必要な産業廃棄物の回収作業がありました。特殊な成分の廃棄物だったので近隣に最適な処分場がなく、遠方の処分場に委託する必要があり、運搬費が高額になることがネックになっていました。
しかし、「依頼連絡は 1 週間程度余裕をもって行う」、「作業時間が原則午後となる」という二つの条件を受け入れることで、運搬料金が従来の約半額になりました。運搬会社の帰り便を利用することでコストを大幅に抑えることができたのです。
運搬会社は排出事業者の近隣に搬入する取引がすでに別の企業との間であったため、本来ならば空で帰るはずの車両に積み込むことができるようになりました。
1 週間というスケジュールの余裕があることによって、二つの回収依頼をまとめやすくなり、前の作業を終えてから午後に回収を行うことができる条件が整ったから実現できたことです。
このように、条件を少し見直すだけで大幅な改善が図れることは少なくありません。

依頼方法で対応は変わる?

条件を緩和するのみでなく、依頼の方法を仕組み化してしまう方法も、運搬業者も管理がしやすくなるため有効です。
現在、配車の依頼を都度電話やメールでしている担当者の方も多いのではないでしょうか?
実は、電話やメール、FAXなどは回収依頼以外にも様々な要件の連絡に頻繁に使われるため、情報が煩雑になりやすく、抜け漏れも起きやすいのです。
特に電話は、折返し連絡などが続き、なかなかスムーズにやり取りが進まないことも多いです。こうしたやり取りは、排出事業者側としても面倒ではないでしょうか?
こうした一連の依頼連絡の中で抜け漏れやミスコミュニケーションが起きてしまい、予定通りに回収ができなくなってしまったご経験もあるのでないでしょうか?実際に、当日になって車両が来なかったり、時間が間違っていて困ったというお話も伺います。

こうした配車ミスを未然に防ぐためには、依頼方法を仕組み化することが効果的です。

仕組み化といっても、複雑なものではありません。電話で口頭よりも、メールで記録に残る形で連絡をした方が確実です。また、メールの内容も毎回違う書き方をするのではなく、例えば下記のように依頼内容がわかりやすく、簡潔に箇条書きで記載するなどの工夫をすると、より確実です。

△:ありがちな依頼方法
汚泥の引取をお願いします。現在8割程度溜まっていますので、来週月曜以降であれば回収可能です。来週中には確実に回収お願いします。時間はいつ通り、午前の作業でお願いします。

◯:おすすめの依頼方法
回収依頼
・品目:汚泥
・希望日:10日(月)~15日(金)
・備考:AM作業でお願いします。

ちょっとした工夫によって効率化ができると、お互いの負担が軽減され、配車に限らず様々なことが円滑に進むのではないでしょうか?

弊社では受発注管理のサポートとして、「CLOUDUS(クラウダス)」というシステムを利用することで効率化することをご紹介しています。気になる方は是非、お気軽にお問合せください。

Keisuke Yoshida 環境コンサルティング事業部

名城大学、経済学部、経済学科を卒業。 東海野球連盟の1部リーグに所属していた準硬式野球部に入部。2年生の春季リーグでベンチ入りをするも登板できなかった悔しさから練習に励み、3年生時には投手キャプテンを務める。 現在は採用担当として説明会の運営を行ったり、HPのコラム等を活用したお客様への情報発信を主に行う。