こんな管理会社は危ない!3つのポイント~廃棄物管理のアウトソーシングの是非~

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こんな管理会社は危ない!3つのポイント~廃棄物管理のアウトソーシングの是非~

※2016年11月29日執筆時点の情報です。

「中央環境審議 会循環型社会部会廃棄物処理制度専門委員会」が開催されているのは、皆さんご存知でしょうか?

現在第6回まで終了しており、廃棄物処理法改正に向けて様々な論議が巻き起こっています。

この委員会や議論について、今まで、弊社のコラムでは詳しく取り扱っていませんでした。あくまで「こんなことが議論されている」という途中経過であって、何かが決まったわけではありません。そのため、情報発信を控えておりました。

しかし先日、この議論の記録を見た方から、“管理会社の存在意義”についてご質問をいただき「発信しておかねば!」と考えを改めました。

管理会社の存在によって排出事業者責任が希薄になる!?

お伝えしたいのは、第4回に一般社団法人 全国清掃事業連合会から提出された
意見書の4ページから記載されている「地方公共団体の規制権限の及ばない第三者(ブローカー)への対応について」です。

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ブローカーとは、管理会社のこと

この文書でブローカーとは、「排出事業者と処理会社の間で、処理工程の適法性の確認、適正な処理業者の選定、処理料金の適正性の確認・支払いの管理等の業務を行うもの」を指します。

排出事業者の皆さんの視点だと「管理会社」と表したほうがしっくりくるかもしれません。加えて、ブローカーという言葉がどことなくイメージが悪いため、以下「管理会社」と表記します。

意見書の内容

意見書での内容を簡単にまとめると以下のようになります。

管理会社は、法律で定める排出事業者が行うべき根幹の業務を行っている。それによって、廃棄物が適正に処理されなくなること、排出事業者の責任が希薄になることが懸念されるため対応策を検討するべきである。

うーん…。まるっきり間違っている。とも言えないのですが、あまり同意できる内容ではありません。

私も、コンサルタントを名乗って、適正処理の為に法令相談も受けますし、処理業者の選定のお手伝もします。世の中には、何もしていないのにペーパーマージンのみとる怪しい管理会社もありますが、そちらと混同されて困ってしまいます。

ホンモノの管理会社の意義

適切な管理会社は、その専門性で排出事業者をサポートするために存在します。

排出事業者と許可業者だけで、廃掃法を中心とした法規制をすみずみまで正しく理解して、現場でも正しく運用し、イレギュラーなトラブルにも完璧に対応しつつ、適正処理を行う…というのは、なかなか難しいのではないでしょうか?

廃棄物処理法は複雑すぎて、排出事業者だけでなく、許可業者も理解しきれていないところが多いのが実情です。

特に、全国に多数の工場を保有していたり、小規模拠点が多くあったりする業態では、各事業所に法の規制を理解した人材を配置するのは困難です。そのため、適正な廃棄物の管理・処理のためには、廃棄物処理法を理解した専門性の高い管理会社のサポートが必要です。仮に、管理会社に限らず第三者的なサポートを規制されてしまったら、困ってしまう排出事業者は多いでしょう。

しかし、管理会社と言いながら、適切な管理ができていない場合があるのも事実です。管理会社の役割を認識し、“行うべきこと”と“行ってはいけないこと”の区別がしっかりできていればいいのです。

こんな管理会社は危ない!3つのポイント

では、何に注意して管理会社を選べばよいのでしょうか?管理会社を選ぶ際に、避けるべきポイントを3点紹介します。

1.処理費用がとにかく削減できる!でも理由が不明確…。

意見書にも記載がありますが「処理会社と交渉して、全事業所の処理費を削減します!」というように、とにかく安くを打ち出す管理会社がいるようです。

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適正処理の為には、適正なコストがかかります。もちろん、より適切な処理方法を提案したり、処理会社が行う注文の受付等管理業務を効率的に代行したりすることで、処理会社に負担がかからず、コストダウンが図れるケースは多くあります。

しかし、とにかくコストダウン!と、強烈な交渉をしていると、処理会社が金銭的に窮して、不適正処理のきっかけを作りかねません。

2.排出事業者に対してNOを言わない

yes-68480_640廃棄物の管理では、複雑な法の規制があるので、排出事業者も処理会社も、知らず知らずのうちに違法な行動をしていたり、ミスをしてしまったりします。このような事態にならないように関わるのが管理会社です。

その管理会社がどのようなサービスを行っているのかにもよりますが、「このように直してください」と改善提案してくるのが通常です。

提案はスケールの大きなものばかりではありません。分別に不備があったという連絡や、マニフェストの返送期日に関する注意喚起など、しっかりと管理業務をしていれば大小様々な指摘が出てきます。

そのような指摘が出てきていないのであれば、「うちは全部、管理会社にやってもらっているから大丈夫!」と安心していたら、実は全然管理されていなかった!なんてこともあるかもしれません。

3.“廃棄物業務は全てお任せ“を推奨している

前述のように拠点が多い事業者は、各拠点に担当者を置くのが難しいので、部分的なアウトソーシングが必要です。しかし、本部やエリアを統括する営業所などには、廃棄物の知識を有する人材を配置すべきです。

管理会社を置いていても、万が一不適正な事態に巻き込まれればその責任が問われるのは排出事業者自身です。意見書の「法の規制が及ばない」というのは、「廃棄物管理を全て任せていたとしても、罰せられるのは管理会社ではない」という意味です。当事者はあくまで排出事業者なのです。

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企業として責任を持った意思決定をするために、最低限の知識を有した担当者は必要です。管理会社が廃棄物に関するすべての業務を代行し、排出事業者は何もしなくてよいとなると、意見書中に懸念されている、排出事業者の当事者意識が欠如してしまうことになります。

然るべき担当者には、教育を行い、担当者がカバーしきれない部分を管理会社がフォローするという形が良いと思います。

必要なのは適切なアウトソーシング

さて、廃棄物管理をアウトソースすることには様々な意見があると思います。

私は、適切な管理をサポートする為のアウトソースは必要だと思います。廃棄物処理法の複雑さや、各企業が抱える人材不足は一朝一夕で解決できるものではありません。

こうした問題に対して、管理会社への現実逃避とも思える丸投げはおすすめできません。一方で、しっかりとした判断基準のもと、部分的に専門家の力を活用することは、適性管理のために必要なことです。

もちろん、イーバリューはクライアントの皆様自身が責任を全うするために必要なサポートを全力で行っております。

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Takeshi Sato 環境情報ソリューショングループ マネージャー

コンサルタントとしての活動で実績を積む傍ら、セミナーインストラクターとして数々のセミナーを担当。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。 対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。