マニフェストの交付「単位」は、結局どう考えるべきなのか
「排出事業場・廃棄物の種類・運搬受託者・運搬先がすべて同じなら、1度に搬出する廃...
コラム
基準時点:令和8年7月現在(最終更新:令和8年8月7日)
マニフェスト(産業廃棄物管理票)は発行の頻度が高く、記入の誤りも起こりがちです。もし交付した後に記載ミスが見つかったら、どのように対応すればいいのでしょうか。ここでは、紙マニフェストの記載ミスへの正しい対処法と、やってはいけない対応を整理します。
結論
交付後の紙マニフェストに誤りを見つけたら、破棄や再交付はせず、排出事業者・収集運搬業者・処分業者がそれぞれ保管しているA票からB票までのすべてで、内容が食い違わないように訂正するのが原則です。
訂正する行為そのものに罰則は定められていませんが、誤りに気づいたまま放置すると、虚偽記載や不適正な管理として問題視されるおそれがあります。
マニフェストは廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)第12条の3第1項により廃棄物の引渡しと同時に交付するものとされ、後日の交付(再交付)は想定されていません。
また写しには保存義務(同条第2項・第6項)があり、保存期間は5年間(施行規則第8条の21の2)です。
誤ったマニフェストの破棄は保存義務違反にあたり、1年以下の拘禁または100万円以下の罰金(廃掃法第27条の2)となるおそれがあります。
交付後に紙マニフェストの記載内容を訂正すること自体は、廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)上、罰則規定は設けられておりません。実務でも、誤りは手書きで訂正して対応するのが一般的です。
ただし、法令で「この手順で訂正せよ」と定められた公式の様式があるわけではありません。そのため対応は事業者ごとにばらつきがあり、自己流の処理では不十分・不適切になってしまうことがあります。「訂正が許されること」と「正しく訂正できていること」は別だと考えておくのが安全です。
紙マニフェストはA票からE票までが複写でつながっているため、1か所を直しても他の票と食い違えば整合が崩れます。イーバリューでは、記載ミスを見つけた場合には次の対応をおすすめしています。
依頼の記録を残しておく意味は、行政対応の場面にあります。万が一、委託先が訂正せず、行政の立入検査で記載ミスが発覚した場合、排出事業者にも調査が入る場合があります。そのとき、訂正を依頼した証拠が残っていれば、自社が適切な管理を働きかけていたことを示す材料になります。
訂正する場合は、修正液や修正テープ等は使用せず、元の記載が読める形で、訂正内容と訂正日・訂正者が分かるようにしておくと、後日の説明がしやすくなります。
なお、ここで示した訂正の進め方は、法令で訂正の様式が定められていないなかで、イーバリューが廃棄物管理の実務支援を通じて、これまで多くの行政への聞き取りを重ねながら整理してきたものです。各票の整合を保ち、訂正の内容・日付・担当を記録に残しておくことが、立入検査などの場面で経緯を説明できる状態につながります。
1つ目は、誤りをそのまま放置することです。記載ミスに気づきながら訂正せず放置すると、発覚した際に虚偽記載や不適正な管理として問題視されるおそれがあります。「知らなかった・気づかなかった」では済まされないため、見つけたらすぐに対応することが重要です。
2つ目は、正しい内容のマニフェストを改めて交付し直す(再交付する)ことです。マニフェストは廃掃法第12条の3第1項により、廃棄物の引渡しと同時に交付するものとされており、後日改めて交付することは想定されていないためです。あわせて、誤った古いマニフェストを破棄することも避けてください。マニフェストの写しには保存義務(廃掃法第12条第2項・第6項)があり、保存期間は5年間(施行規則第8条の21の2)です。破棄は保存義務違反にあたり、1年以下の拘禁または100万円以下の罰金(廃掃法第27条の2)となるおそれがあります。
電子マニフェストの登録内容にミスがあった場合は、JWNET(電子マニフェストシステム)上で修正・取消操作を行える場合があります。ただし、登録状態によっては修正・取消ができない場合もあるため、JWNETの最新のFAQ・操作マニュアルの確認が必要です。
収集運搬業者・処分業者が終了報告を終えた後などに修正する場合は、修正内容に応じて、関係する収集運搬業者・処分業者または排出事業者の承認が必要になります。JWNETでは、承認・否認を10日以内に行うことが求められ、各社が変更内容に合意した記録が残る仕組みとなっています。
表:記載ミスの直し方(紙マニフェスト/電子マニフェスト)
|
項目 |
紙マニフェスト |
電子マニフェスト |
|---|---|---|
|
訂正の方法 |
A票からE票まで、関係する各票を手書きで訂正する |
JWNETのシステム上で修正・取消操作を行う |
|
関係者の保管分 |
委託先(収集運搬業者・処分業者)の保管分も同じ内容に訂正が必要 |
システム上で処理され、各社の保管分を1枚ずつ直す必要はない |
|
終了報告後の扱い |
(該当なし) |
修正内容に応じて関係者の承認が必要(10日以内に承認・否認) |
|
記録の残し方 |
訂正依頼をFAX・メール等で記録に残す |
「承認」として各社が合意した記録が残る |
※ JWNETの具体的な操作手順は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターのFAQを参照してください。
※ 電子マニフェストの登録ミスへの対応は、別コラム「電子マニフェストの登録ミスが発覚、どうすればいい?」でも詳しく解説しています。
紙マニフェストの記載ミスは、訂正すること自体に罰則があるわけではありません。重要なのは、誤りを放置せず、A〜E票と委託先の保管分まで矛盾なくそろえて訂正し、依頼の記録を残しておくことです。誤ったマニフェストの破棄や、後日の再交付は避けてください。電子マニフェストであればシステム上で修正ができ、こうした手間やリスクを抑えられます。
Q. 交付後に紙マニフェストを訂正すると罰則の対象になりますか?
A. 訂正する行為そのものに罰則は定められていません。ただし公式の訂正様式が法令にあるわけではなく、誤りを放置すると虚偽記載や不適正な管理として問題視されるおそれがあります。訂正が許されることと、正しく訂正できていることは別のものとして考えるのが安全です。
Q. A票を訂正したら、他の票はどうすれば良いですか?
A. A〜E票はすべて複写でつながっているため、排出事業者の保管分(A・B2・D・E票)に加え、収集運搬業者・処分業者の保管分も同じ内容にそろえます。一部だけを直すと、票の間で矛盾が生じるためです。
Q. 誤ったマニフェストを破棄して、正しいものを交付し直しても良いですか?
A. 再交付も破棄も避けてください。マニフェストは引渡しと同時に交付するもの(廃掃法第12条の3第1項)とされ、後日の交付は想定されていません。また写しには保存義務(同条第2項・第6項)があり、保存期間は5年間(施行規則第8条の21の2)です。破棄は保存義務違反にあたり、1年以下の拘禁または100万円以下の罰金(廃掃法第27条の2)となるおそれがあります。
Q. 訂正を委託先に依頼するとき、口頭だけで良いですか?
A. 各社への訂正は、電話で依頼することも考えられますが、後日の説明や立入検査などに備え、FAX・メールなど記録が残る形で依頼するのが安全です。文書で通知した場合は、該当のマニフェストと一緒にコピーをファイリングしておくと良いでしょう。
Q. 電子マニフェストのミスはどう直しますか?
A. JWNET上で修正・取消操作を行います。ただし登録状態によっては修正・取消ができない項目もあるため、最新のFAQ・操作マニュアルの確認が必要です。終了報告後などに修正する場合は、修正内容に応じて関係する収集運搬業者・処分業者または排出事業者の承認(JWNETでは10日以内の承認・否認)が必要になります。
マニフェストをはじめとする廃棄物管理の実務は、担当者の負担が大きく、属人化しやすい業務です。イーバリューでは、現場管理や書類作成、委託先とのやり取りまでを引き受ける廃棄物管理業務代行サービスをご用意しています。詳しい内容は下記サイトをご覧ください。
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セミナーインストラクターとして、数々のセミナーを担当。オンラインセミナーの実施やeラーニングシステムを使った動画コンテンツの制作にも注力する。コンテンツの企画から講師までを一貫して手掛け、通年80回以上の講師実績を持つ。また、イーバリューの法令判断担当として、クライアントの法解釈に関する質問や相談に対応。対応件数は年間約1,000件に上る。法令知識だけでなく、省庁や管轄自治体等の行政への聞き取り調査も日常的に行っており、効果的な行政対応のノウハウを持つ。